ドアを開く

2007年7月22日
恒例の月イチ帰郷。

10月に仕事の大きなイベントをすることが急に決まって、稽古にも気合が入る。いや、普段のんべんだらりとやっているわけじゃないけど。

さて、そんな鼻息の荒い昨日とは打って変わって、今日はまるで夏休みの初日のようなウキウキわくわくしっ放しの一日だった。

・・・・はっ

「のような」じゃなくて、世間的に今日は本当に夏休み初日だっけ?学生じゃなくなってあまりにも長い時間が過ぎたので、忘れたわ。

待ち合わせのお昼過ぎ、人ごみの改札口でウロウロしていると向こうから瞳の澄んだカワウソがツツツ・・・と近づいてきた(笑)。久しぶりに会う友は相変わらず明るいオーラを放っていたが、変えた髪形と少し印象の違う服と、おそらくは愛の女神アフロディーテに微笑まれたせいでますます輝きを増していた。こんなチャーミングなカワウソ、世界中どこ探したっていないはず。

そんな彼女に連れられて、私は今日生まれて初めて二胡の世界に足を踏み入れた。もちろん、その音色は何度も耳にしたことがあってその度に思わず聞き入ってしまうけど、まさか自分が弾く機会があるとは思っても見なかった。それは膝に乗せてもほとんど重みを感じないほど軽く、弓も棹も繊細でデリケートな印象はテレビで見た時と同じ。でもいざ音を出してみると、その力強さに驚く。楽器そのものの繊細さに気を取られて中途半端に弱く弾くと、ギギギーーと軋んで不愉快な音が出てしまう。それはまるで二胡自身が「馬鹿にしないでよ。私、そんなヤワじゃないわ」と怒っているみたい。
友は母のような包容力で私にドレミの音階を教えてくれ、「キラキラ星」や「ドレミの歌」をつっかえつっかえ弾いてみた。その間、弦がギギギーーと文句を言う度に、ごめんねごめんねと二胡に謝る私。ギギー・・「何すんのよ!」「ごめーん!」ギギギーーー・・「ああん、もう!」「ごめんなさーい!」

けれど、二胡嬢と私の相性は決して悪くはなかった。ほんの10分ほどだったかな、最後の方は綺麗な音色がいくつか出せてすっかり自己満足。そして、友は先生と一緒に「良宵」というとても美しい曲を弾いて聴かせてくれた。2人が持つ二胡は、その性能も特性も存分に引き出せてもらえて嬉しそう。初めて間近で聴いたその音色は強弱のダイナミクスがまるで絵を見るように美しく、いつまでも聴いていたかった。

二胡・・・・やってみたい。習いたいかも。くーっ・・・またまたやりたいことが増えちゃった。

さてそれから、二胡の先生に連れられフランス家庭料理のお店に行きランチ。いわゆるコース料理の気取ったイメージからは離れた、どの料理もソースが抜群に美味しいお店だった。ボルドーの白ワインを1本空けてしまった私たちは、デザートが出てくる頃にはすっかり酔っ払い。ああこれぞ、贅沢な休日の昼下がり!

そのあと先生は仕事に戻り、友と私は酔いの回った足を操って喫茶店にたどり着きほぼ4時間をおしゃべりに費やした。次々に沸き起こってくる自分の感情を、何一つ制御せずに遠慮なく表現してもいい存在。同じように、相手の話す言葉を何一つ防御せずに受け入れることができる存在。この世に生まれてきた醍醐味を味わっていると、あっという間に別れる時間になった。

同じ時期に、同じ本を買って読んでいたカワウソ嬢よ。今日も本当にありがとう!!そして明日は・・・

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