昨日、3月3日ひな祭りの日。夜7時半。

母はとうとう不自由な体を脱ぎ捨て、蝶になりました。

脳腫瘍を患い手術を受けたのが一昨年の11月。以来、苦しい時も楽しい時も、その全てが母らしい日々でした。母の生き方そのものでした。そんな母の生涯は、私にまだ消化しきれないほどたくさんの大切な事を学ばせてくれ、今もそれは続き、そしていつか私も母が脱皮したのと同じ世界に蝶となって羽ばたいてゆくその日まで、絶えず学び続けてゆくでしょう。

今は自分の内側から沸き起こってくるどんな言葉も、残らず涙の洪水に押し流されてしまいます。それは、息も出来なくなるほどの焼けつくような感情。もし今1人になったら、きっと吼えるように号泣していると思う。

体中の全ての毛穴から、涙が噴き出しそうだ・・・




昨日母が息を引き取ろうとしていたその時、550キロ離れた場所にいた私の体に異変が起こっていた。

大型書店でタカと一緒に本を探して回っていたら、突然、どうしようもなく体が熱くなり息が苦しくなった。頭がクラクラして立っているのが辛い。でも熱が出た時とはまるで違う感覚で、サウナに閉じ込められたような閉塞感だった・・・

その直後に、父からの電話。

聞けば母は息を引き取る前、ひどく呼吸が荒かったそうだ。傍らで父が心配していたものの、目をそらしている間に気付いたら苦しそうな呼吸の音が聞こえなくなっていた。すでに息を引き取っていたのだった。

私が経験したのは、もしかしたら母がさなぎから蝶になる過程だったのかも知れない。空間を越えて、魂がシンクロしたんだと思う・・・だって私の体の半分は母で出来ているんだもの。

すぐそばにいた父さえ気付かなかったほど、全く苦しむことなく長年慣れ親しんだ体を脱ぎ捨てた母。その顔は本当に穏やかなのです。眠っているようにしか見えないくらい。ただ、その氷のように冷たいおでこが、母はもう2度と目を開けはしないのだと告げています。



今年の11月で72歳になるはずだった母。ひな祭りの、満月が美しく輝く夜に旅立ちました。

調べたら、生まれたのも満月だったことが判明。自然から人生の哲学を得ていた母らしい、素晴らしい往き方でした。



明日、お通夜。あさってが、告別式。

今週は心も体もかなりキツイ毎日になりそう・・・

しばらく書けなくなるかも知れないけれど、落ち着いたらまた。

コメント

ゲルタ
ゲルタ改
2007年3月4日22:56

満月の夜に羽を広げたお母様のお姿はきっと凛として、
そして、とても美しかったのだと思います。
お母様のご冥福をお祈りします。
しばらくはおツライと思いますが、頑張ってくださいね。

ゆにぞん
ゆにぞん
2007年3月5日8:04

テハヌーさん、見当違いのメールを書いてしまってごめんね。
でもどんなに離れていても感じたんですね。
死に様は生き様。日記を読んでつくづく思いました。
しばらく続く忙しさの中で、お母さんが見て心を痛めることがないよう
体を大切にしていてくださいね。

テハヌー
テハヌー
2007年3月7日22:08

ゲルタさん
素敵な母の姿を想い描いて下さって、本当に有難うございます。淋しくて仕方がないですが、鏡を見るとそこに母がいます。私は本当に母と良く似ているんです。そして「しっかりしなさいよ!」という声が聞こえてきます。
ゲルタさんご自身が病み上がりなのに、お気遣い下さってとっても嬉しかったです。どうぞくれぐれも体を大切にして下さいね。

テハヌー
テハヌー
2007年3月7日22:12

ゆにぞんさん
見当違いなんて全然気にしないで!本当に今年は、ゆにぞんさんに支えられてばかりです。まだ、毎日が夢を見ているように過ぎてゆくのですが、何があっても月は刻々と満ち欠けを進めてゆきます。夜は本来、優しい時間のはずなんです。だけどしばらくはお預けなのかなぁ・・・

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