ウキーー!!

2006年11月18日
晩秋のお休みは、もし晴れたりしたらそれはそれは貴重だ。

何しろ一年中「お外で遊びたい病」な私は、爽やかな風と汗ばむほど暖かい陽射しに誘われれば居ても立ってもいられない。

そんな土曜日。予報によれば、晴れ時々くもりのはずだった。

1時間ほどで行ける山に、滝と紅葉を見に行こうと前々からタカに念を押していた私。今朝、休みの日は12時前に起きることはないタカをせきたてて目覚ましがなる前にベッドから飛び出してカーテンを開けると、空はどんよりと曇ってはっきりしない顔をしていた。

予報にブツクサ文句を言いながらも、とにかく出掛けた。30分ほど車を走らせて駅前の駐車場に停めてからは、山の中腹にある滝まで約1時間ほどの程よいハイキング。途中にはいくつかの茶屋が並び、秋の味覚の焼き栗や焼き芋を始めたくさんの野菜や果物が売られていて、食欲を満たしながら目でも楽しめる楽しい道のりだった。

ただ残念なことに、紅葉にはまだ早かった・・・(涙)タカの家の前に並ぶ街路樹はもうすっかり紅葉が進み、落ち葉が道を塞ぐほどだったから山の上ではさぞかしと思っていたけれど、どうやら里の方が早かった!いや、もしかしたら樹木の種類が違うせいかな。

それからもうひとつ。

思いがけない襲撃にあったのよっっ!

実はそのハイキングコース、野性の猿が出る。

そのポイントに差し掛かる前に、親切な男性が私達の持っている飲み物やちょっとしたお菓子が入った袋を指差して、「この先には猿がいて袋を下げて歩いていると襲われるから隠して行きなさい」と教えてくれた。

私達は、その話し方から察して「この先」というのは少なくとも300mとか500m先のことだと理解した。いや、きっと誰が聞いてもそう受け取っただろう。

件の男性には、親切な人もいるものだとお礼を告げて、歩き出すこと50メートル足らず。緩いカーブを曲がったところに何やらポツポツと人が立ち止まっている。

そう、すぐ目の前に猿の一家がワラワラと動いているではないか。



あっ・・・マズイ・・・と思った時には、既に不利な位置にいた私達。目の前は猿たち、後ろは崖。

ほんの数秒、人間と猿の間に緊張した静寂が走った。

私の目には、まだ子供の小さな猿がトコトコ・・・と近づいてくるのが見えていた。何か所在無げに、私の顔を見ることもせずにどちらかと言えば私にはほとんど感心が無さそうな歩き方だった。



次の瞬間。



私の手にぶら下がっていたビニール袋に入った「明太子パン」が、狙われた!思わず手を上に上げると、小猿は私の背中をタタタッと駆け上り袋をひったくろうとするではないかぁっっっ!!

気がつくと、まんまと獲物を仕留めた小猿は少し離れたところに座り込み、器用にパンの袋を破くと美味そうに食べ始めたのだった。
一緒に入っていた秋限定の栗ポッキーの箱も、猿の足元に転がっていた。



ムキーーーーーーッッ!! 何なんだよ、お前ーーー!!!!

はっとしてタカを見ると、彼は彼で呆然と立ち尽くしていた。何で助けてくれなかったのと詰め寄ると、別の猿に襲われていたらしい。でもペットボトルしか持っていなかったから早々に興味を失われて無事だったそうな。そんなこと、全然知らなかった。私は自分の身とパンを守ることで精一杯だったんだもん。パン、盗まれたけど。

パン・・・盗まれたんだ・・・


今書いてて、何だかまた腹立ってきた!


そりゃあ猿たちも生きるのに必死なのだろうさ。

けど。けどね。

人間の世界じゃ、それはドロボーって言うんだよ!



全く、助言してくれたオヤジもオヤジで中途半端な言い方しないで、「すぐそこに猿がいるから今すぐその袋を隠しなさい」って言ってくれればいいじゃない!




・・・・八つ当たりッス。







ああ、恐かったよぅ(泣)

滝を見ながら食べようと楽しみにしていた食料を捕られた私達は、しょんぼりしながら歩きましたとさ。紅葉も、猿を忘れさせてくれるほど綺麗じゃなかったし。

まぁ、たこ焼きを買って食べたら気が済んだけど。

人生で初めて、猿と対決して敗北を喫した日でした。

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