痛くて優しい

2006年5月27日
 
さほど間を置かずに実家に来ている。



立ち止まってじっと目を凝らすと悲観的になるものばかりが見えてしまう昨今の状況なので、敢えて焦点をぼかしなるべく遠くの方をぼんやりと眺めるようにしている。そうしないとやってらんないのだと、正直な私の体は言う。確かに言っている。でなきゃここ数ヶ月も、実家に来るたびに決まって風邪をひく説明がつかん。



ところがそんな私に容赦無くムチを入れる存在があり、よりによってそんな3人と終電が無くなるまでお酒を酌み交わしてきた。

そこで私は、今の窮状を一言も口に出さなかった。彼らと共有する時間は、俗に言う「愚痴を聞いてもらう」ことを期待するような生半可な過ごし方ができない。

彼らの言葉は私にとってまるで物理的に質量を伴っているかのように伝わってくる。そして、重く塞がれていた心に力強い光が差し込み、しかもその光は腕の良い外科医が操るレーザーのように私の中の余計なデキモノを焼き払ってしまった。

でもそれは、至極個人的な私だけの感覚。

一見すると私たちは酔っ払って盛り上がっているフツーのお客で、全員がヤケに声がでかく馬鹿みたいに大笑いし続ける騒がしい奴らっていう図。それに、ちょっとへこみがちだった私に愛のムチをくれてやろうなんて誰も思っちゃいなかった。

だけど私は、酔ってしびれた体を横たえて眠りに落ちるまで、心の中でずっと感謝していた。今夜、会えて本当に良かった・・・。



旧友たちよ。



成すべき事が判っており

人任せにせず

言うべきことは言い

堪える時は石の様に我慢をし

できないことを認め

できない人を理解し

まなざしだけで

意思の疎通ができる

深い心を持つ友よ



また いつか

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