念願の!

2006年4月15日
「ごめん!、あと20分くらいかかるよ」

「許せん。もう今日こそは合鍵をもらう」

「ごーめんなさーーい」

「ダメダメ。もう決めた」




昨日、ご飯を作って仕事場までタカを迎えに行った時のメールでのやり取りだ。

今までこんな風に、タカの仕事が終わるのをひたすら待ったことが何度もあった。予定の時間を大幅に遅れても職場の近くに時間を潰せそうな場所は無く、車ならまだいいものの電車で行った時などはもうどうしようもなかった。それが真冬だった時などは、本気で帰ろうかと思ったくらいだった。

「合鍵が欲しい」と最初にタカに言ったのは、付き合い始めて半年たった頃だろうか。その頃はまだ、タカは自分のいない部屋に私(私だけでなく他人なら誰でも)がいることが嫌で、ちょっと出かける間の留守番すら渋々了解していたほどだった。

理由は、自分のテリトリーを他人に侵されたくないから、みたいなこと。自意識過剰というか人間不信というか、ある意味動物的な本能に近い感覚なのだろうと理解した私。

まあ判らなくもないので、何回か話してもお茶を濁して断り続ける彼にはそれ以上しつこく頼むことはしなかった。

だけど待ちぼうけで30分も40分も時間を無駄にすると、合鍵があったら先に帰って部屋を暖めて食事のしたくもしてあげられるのにと思い、何だかガックリと気持ちが萎えるものだ。

ましてや私が疲れ気味の時なんか、恐縮しながらやっと待ち合わせ場所に現れた彼に向かって素直に笑ってあげられなくなっちゃう。タカのつまらない(と私には思える)こだわりのせいで、どうしてこんなに辛い思いをしなきゃいけないのと、八つ当たりしてしまう。そして、そんな自分が情けなくて更に落ち込む悪循環。


それでも私は待った。

辛抱強く、彼の固いガードが緩むのを。彼に信用してもらえるのを。

そしてついに、時は来た!  もう譲れない!!



昨日、車の中で待ちくたびれていると急な坂を走って登りながらやって来る彼の姿が見えた。私がよっぽど怒っていると思ったのかしら?フフフ、可愛いヤツ。

息を切らして「ゴメンね」と言いながらドアを開けた彼に「お疲れ様♪」と優しく声をかけた私。その笑顔を見て安心したようにタカは、遅くなった理由を一息に話し始めた。

「そうか〜、ご苦労様。タカの仕事は時間を読みにくいからね、仕方がないよね」

そしてゆっくりと決定事項を告げる。

「じゃあ明日、合鍵を作ってくるね。」





あの、食べる直前にアイスクリームを取り上げられた子供のような、困り切ったタカの顔が忘れられない。

「う〜ん、わかったよ。」

あっさりと負けを認めた彼は、合い鍵屋の場所を丁寧に教えてくれた。



やったーーーー!



むっちゃくちゃ、嬉しい〜!

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